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ワイルドアクアリウムの創り方HOW TO MAKE THE WILD AQUARIUM

ワイルドアクアリウムを始めましょう STEP3 水槽計画を立てましょう

水槽計画を立てましょう

創りたいフィールドが決まったら、次に水槽の計画を立てます。創りたい水景のデザインレイアウトもそうですが、導入した魚や水草にマッチした環境を用意するために計画を立てましょう。

水槽のサイズ

ワイルド・アクアリウムを創る上で水槽のサイズ選びは「できる限り大きく」という選び方をお勧めします。自然の川や池などに比べれば、どんな大きい水槽でも狭い空間になってしまいます。野生に近い環境を観察したければ、なるべくなら広い水槽が良いでしょう。

ワイルドアクアリウム
W1200mm x D450mm x H450mmの水槽
南米、ブラックウォーターの川をイメージしたワイルドアクアリウム。ワイルドな水景にパクーやシクリッドが泳ぐ。
生体は多めに入っているが、本物の野生の姿に近いものを感じることができる。

ただ、普通は設置場所や置きたい水槽の数のことを考えると巨大な水槽を沢山は設置できません。サイズもそうですが、大型水槽に砂や石を入れて水を張れば相当な重量になりますから設置場所の状況も踏まえて選びましょう。

もちろん、創りたい水景と導入する魚など生体のサイズや行動を選べば小さい水槽でも素晴らしいワイルド・アクアリウムを創ることができます。小さくてもよく泳ぐゼブラダニオ Danio rerio のような魚は狭い水槽ではその真価が発揮されないですし、アフリカンマッドフィッシュ Phractolaemus ansorgii のようなそれなりのサイズでもほとんど動かないような魚なら狭い水槽でも面白いワイルドアクアリウムがつくれそうです。もちろん、自分の縄張りを主張するシクリッドのような種類の魚は、小型種だとしても混泳は難しく、狭い水槽ではうまくいきません。

ワイルドアクアリウム
W300mm x D300mm x H300mmの水槽
南米、エキノドルスが生える浅瀬をイメージした水槽。30cmの小さいキューブ水槽ながら、小型カラシンやコリドラスがまるで生息地のように生活する。

機材の種類

ワイルドアクアリウムかどうかは関係なく、アクアリウムに必要な機材として、代表的なものは・・・

  • フィルター
  • 照明
  • 温度調整器

です。ワイルドアクアリウムではこの3つの機材を以下のように考えます。

フィルター

フィルターの種類や特徴などについてはここでは語りませんが、折角の自然を再現したアクアリウムの中に、大きな機材が陣取ってしまうとイメージが悪いので、目立たない位置や端っこにまとめて機材がくるように工夫するといいでしょう。また、ワイルド・アクアリウムでは水草などを丁寧にトリミングしたり、細かく掃除したりはしないことが多いですから、フィルターはある程度強力なものにすることをオススメします。

照明

照明は創りたい水景を演出するうえで非常に重要な機材です。創りたい現地の状況に合わせて選ぶと良いでしょう。明るければ良いというものではありませんが、水草によっては光合成させるためにかなりの光量が必要だったり、光の種類を要求するようなものもありますから、植えたい水草の種類も照明選びの重要なポイントになります。また、青っぽい照明よりも電球色のほうがレイアウトの雰囲気を演出するのに良い場合も多く、作る水槽の水の色や環境に合う照明を選定することがポイントです。

温度調整器

温度調整器というのは一般的にはヒーターです。よく熱帯魚は26℃で管理すると良いという話がありますが、熱帯魚が生息する地域は広く様々な状況が存在します。本当に生息地の水温に合わせるとなるとかなり色々と調べる必要が出てきますし、そこまで突き詰めるのは大変なので、一般的に26℃に設定するという説明が一般的になっているようです。しかし、現地の状況を詳しく知る方の話によると、ずっと26℃では高すぎるという話もあります。現地アマゾンでも20℃くらいの水温も多く、あまり高い水温でキープするのはよく無いという話もあるのです。

温度
熱帯魚飼育の水温は本当に26℃が最適?

生息域の環境を調べることができるならば、その温度に合わせてみるのも良いでしょう。熱帯域とは言っても、ひとたび大量の雨が降ればあっという間に水温は下がりますし、乾季に干上がって水位が下がった状況に太陽の光が降り注げば、水温はかなり上がります。そんな環境を生き抜いている熱帯魚ですから、急激な温度変化には気をつけたいですが、多少の温度変化に神経質になる必要はなさそうです。

逆に寒い地域の水景を創りたければ、夏場はクーラーが必要になります。近年、毎年猛暑に襲われる日本ではこちらのほうが大変ですし、魚たちも温度に対してシビアなことが多く、飼育の難易度は高いようです。日本の渓流をテーマにしたワイルドアクアリウムなんかはかなり魅力的ですが、難易度は高めになるのは間違いなさそうですね。

水中ポンプ

上記の基本の3種類の機材以外でワイルドアクアリウムだからこそ重要となるのが水中ポンプです。
淡水魚の多くが流れのある川や波のある湖に生息しているわけですから、水槽内に水流をつける仕掛けを考えるのは重要なポイントとなります。静かな池や沼地などを再現する水槽でなければ、水中ポンプや流量の大きいフィルターを使うなどして流れを創りましょう。タンガニイカ湖やマラウイ湖に代表されるような規模の大きい湖をテーマとしたワイルドアクアリウムでは、海水魚のアクアリウムで珊瑚やイソギンチャクの飼育に使うウェーブメーカーを使うとより複雑な波の流れを演出できます。

水槽内に流れをつけることで、水面は揺らめき、水草は揺れ、魚たちも生息地さながらに流れに逆らって泳ぎ、行動にも変化が起こります。生体も運動不足にならず、引き締まったワイルドな体型に育つかもしれません。

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