ワイルドアクアリウムの創り方HOW TO MAKE THE WILD AQUARIUM
地域を決める
ワイルドアクアリウムの地域想定は、大陸単位や大きい河川、湖など、比較的大きい地域で想定します。想定した地域ごとに生息する魚の種類が違ってきます。例えば、中南米とアフリカにはカラシンの仲間(ネオンテトラやピラニアなどの仲間)が生息していますが、北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアには生息していません。一方、コイの仲間(アクアリウムの世界ではバルブやプンティウスなどが含まれる)はアフリカ、ヨーロッパ、アジア、北米と広く分布していますが、南米やオセアニアには生息していません。こういう種の分布を考えながら楽しむのがワイルドアクアリウムの醍醐味の一つなので、色んな種の分布を考えながら地域を決定しましょう。
地域を「この川のこの場所」というレベルにまでストイックに絞り込む「Biotope Aquarium(ビオトープ・アクアリウム)」というジャンルもありますが、そこまで絞り込んでしまうと魚や水草などが思うように手に入らず、楽しみが限定されてしまいます。ワイルド・アクアリウムはあくまで「南米」「熱帯アフリカ」「東南アジア」や、「タンガニイカ湖」「ネグロ川水系」などのような広めの地域想定の中で楽しみましょう。
環境を決める
地域が決まったら、次に決めるのが環境です。同じ地域でも、緩やかな流れの川もあればサラサラと水が流れる清流もあり、池や沼、湖、それに水たまりに近いような環境もあります。水の色も、特に熱帯地域には透明の水だけではなく、紅茶のような琥珀色をしたブラックウォーターの流域がかなり広い範囲で存在します。環境によって川底の様子や生えている水草などの植物も違ってきますから、どんな環境かを想定するのは大切です。
そして、生息環境は魚たちの生活や行動に影響がでます。環境に適応した進化をしている魚たちの色や形状は、やはり近い環境で飼育したほうがより真価が発揮されるでしょう。