Africa× Clearwater Stream
WILD AQUARIUM SPECIFICATION
SIZE | W1200mm x D450mm x H450mm |
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REGION | Africa |
HABITAT | Clearwater Stream |
FILTER | 外部式+スポンジ |
PLANTS | アヌビアス・バルテリィ、ボルビティス・ヒューディロッティ、クリナム・ナタンス、タイガー・ロータス etc. |
AQUATIC ANIMALS | アノマロクロミス・トーマシィ、ティソクロミス・アンソルギィ、レッドジュエル・シクリッド、クロミドティラピア・ギュンテリィ、プング・マクラレニィ、ランプロローグス・コンゴエンシス、ステアトクラヌス・ティナンティ、ペルヴィカクロミス・プルケール、コンゴテトラ、ブリシヌス・ロンギピンニス、レッドフィン・コンゴテトラ、イエロー・コンゴテトラ、シノドンティス・ブリチャージ、サカサナマズ、クリッパー・バルブ、テトラオドン・ショーテデニィ、アフリカン・ナイフフィッシュ etc. |
アフリカ、
クリアウォーターの小川Africa × Clearwater Stream
アフリカのクリアな水が流れる河川を想定したワイルドアクアリウムです。底床は細かめの明るい色の砂利を使い、水流をつけてある程度の流れがある渓流に近い環境を再現。角の丸い石を複数配置することで隠れ家をたくさんつくり、そこにアヌビアスを着生させ、さらに隠れ家を増やしています。大型の長い流木を倒木に見立てて配置し、ボルビティスを着生させています。アフリカンカラシンやシクリッド、シノドンティスが生活する様子を観察できるワイルドアクアリウムです。縄張り争いをするシクリッドも、1200mmのやや大型水槽に隠れ家をたくさん作ることによって問題なく混泳させることができます。
混泳魚の魅力
アフリカンカラシンとアフリカンシクリッド(河川型)を中心とした混泳は、アフリカ河川水槽を作るうえで最もやりがいのあるワイルドアクアリウムの1つです。 ポリプテルスや肺魚、ヘテロティス、ティラピア系シクリッドなどの大型種の飼育でないのならば、やはり小型のアフリカンカラシンとドワーフシクリッドの混泳は、アフリカ河川を想定したワイルドアクアリウムでは王道のテーマになるのです。
アフリカンカラシン
アフリカンカラシンの代表格で一般種のコンゴテトラ Phenacogrammus interruptus は成長と共に、何色とも表現しがたい素晴らしい発色(グリーンとブルーとオレンジがシルバーの上に輝く)と尾ビレと背ビレが伸びた雄個体の姿は圧巻です。特にワイルド個体の尖った顔はスマートでかっこよく、さらに原産地域の差による微妙な違いがあり、もしかしたら数種類に分けられるかもしれないという話もあるなかなか奥深い魚でもあります。一見地味に見えるブリシヌス・ロンギピンニス Brycinus longipinnis(通称アレステス)は成長するとボディは黄金に黄緑が入ったなんとも言えない発色を見せ、雄は背びれがなびく程に伸び、うっすらとピンクに染まります。オレンジ色に輝く目もとても美しく、その部分だけでも十分に見応えがあります。
この水槽ではクロミドティラピア・ギュンテリー Chromidotilapia guntheri やティソクロミス・アンソルギー Thysochromis ansorgii 、レッドジュエルシクリッド Hemichromis sp. など、大きめのシクリッドでやや気性が荒い種類を混泳させているのでカラシンもコンゴテトラ Phenacogrammus interruptus とブリシヌス・ロンギピンニス Brycinus longipinnis のような大きめのものを中心にしてあります。
アフリカンカラシンには、イエロー・コンゴテトラ Alestopetersius caudalis や、レインボー・コンゴテトラ Alestpetersius nigropterus 、ゴールデン・コンゴテトラ Phenacogrammus aurantiacus、レッドチェリー・コンゴテトラ Alestpetersius brichardi、アフリカン・ムーンテトラ Bathyaethiops greeni のように、独特の発色が魅力的なカラシンが複数輸入されていますから、それらを中心とした混泳も面白いでしょう。
そして、アフリカのカラシンにはディスティコドゥス科やキタリヌス科のような、キタリヌス亜目に属する種類が存在します。キタリヌス亜目のカラシンは、そのほとんどがアフリカにしか生息していません。せっかくのアフリカをテーマとしたワイルドアクアリウムですから導入してみたいグループです。 ディスティコドゥス科ディスティコドゥス属のカラシンのなかには、テウゲルシィやディセンマキュラートゥス、ノボリなど、大型にならない種類も流通しているので、混泳させても面白いかもしれません。 比較的販売されているのを見かけることが多い、ショートノーズ・クラウンテトラ Distichodus sexfasciatus やロングノーズ・クラウンテトラ Distichodus lusosso は、オレンジ色に横縞模様が可愛いくてつい混泳させたくなりますが、これらは大型種です。成長速度はかなり遅いですが、ショートノーズで70cm以上、ロングノーズで30cmに育ちますから、ゆくゆくのことを考えて導入するようにしましょう。
アフリカンシクリッド(河川型)
マラウイ湖やタンガニイカ湖などが注目されがちなアフリカンシクリッドですが、河川型のものはまた面白い種類が多く魅力的なジャンルです。 ペルヴィカクロミス・プルケール Pelvicachromis pulcher (通称ペルマト) やトーマシー Anomalochromis thomasi などが一般種として有名ですが、稀にワイルド個体も輸入されます。 彼らも一般種ながら、発色が始まると息を飲むほど美しく非常に魅力的です。 ペルヴィカクロミス属にはプルケール以外にもタエニアータス、クリベンシス、スボケラータスなど魅力的な種類が多く存在します。 近い属ではナノクロミス属やワラケオクロミス属なども輸入されます。これらも南米のシクリッドにもマラウイ湖やタンガニイカ湖にもない独特な発色で、河川型アフリカンシクリッドらしい独特の美しさがあります。
よく凶暴な性格で混泳が難しいとされる含まれるヘミクロミス属も魅力的で、広めの水槽で隠れ家の多いワイルドアクアリウムでは十分に混泳が可能です。 特にレッドッジュエルシクリッドと言われるリファリリー種やグッタータス種、ビマキュラータス種は、発情すると驚く程に真っ赤になり、そのうえに輝くブルースポットが乗るとても見応えのある姿を見せてくれます。 ヘミクロミスはレッドジュエルシクリッド以外にもエロンガータス種やフレイムポンギ種など少し顎が突き出たような顔つきの種類も輸入されます。 独特のフォルムと、アフリカ河川シクリッドらしい体色で魅力的ですが、これらの種類は大きくなるとあまりにも攻撃的な性格になるので、大きめの魚とでなければ混泳は困難です。
同じく性格が強めと言われる底物シクリッドであるステアトクラヌス属やゴビオキクラ種、ランプロローグス種、オルソクロミス種なども隠れ家が多めのレイアウトでは混泳に成功しやすいです。 底物シクリッドでは、ステアトクラヌス属のライオンヘッド・シクリッド Steatocranus casuarius やステアトクラヌス・ティナンティ Steatocranus tinanti などが比較的輸入が多く、手に入りやすい種類です。 一見濃い灰色で地味な印象ですが勝気な表情で一生懸命縄張りを守る姿はとても面白く、見ていて飽きることはありません。
そしてもう1つ、あまり注目されないグループとして、クロミドティラピアが挙げられます。 そこそこ大型になる種類ですが、性格は比較的大人しめで混泳しやすいのも魅力です。 クロミドティラピア属には11種が含まれますが、なぜかクロミドティラピア・ギュンテリー Chromidotilapia guntheri のみが輸入され、他の種をみることは滅多にありません。 近い属ではベニトクロミス属が非常に魅力的な種類として存在しますが、こちらも残念ながら滅多に目にすることのないグループです。
ナマズ類
アフリカのナマズといえば、サカサナマズ Synodontis nigriventris で有名なシノドンティス属が魅力的です。 非常に種類が豊富で、形や模様のバリエーションも多く、とても面白いグループです。 大型になる種類では気性の荒い種類も多いですが、大人しい種類も多いので、アフリカンカラシンとアフリカンシクリッドがメインの混泳水槽には欠かせない存在です。 アフリカン・マウスフィンキャットや、アフリカン・スポッテッドキャットも比較的大人しく、混泳させやすいナマズです。 こういった隠れキャラが入ると、ワイルドアクアリウムがとても賑やかで、楽しいものになるでしょう。
その他の混泳魚
アフリカ河川をテーマにしたワイルドアクアリウムを立ち上げる際、ぜひとも考えたいのが名脇役の存在です。 今回紹介しているワイルドアクアリウムでもとても面白い存在として、淡水フグの仲間であるテトラオドン・スコウテデニィ Tetraodon schoutedeni (一般的にはショーテデニィと呼ばれる)がとても良いアクセントとして楽しませてくれます。 フグの仲間の多くは混泳魚を襲ってしまうことが多いですが、この種類はあまり他の魚には興味を示さず、混泳させやすい種類として有名です。 その他の脇役としては、アフリカン・ナイフフィッシュ Xenomystus nigri も面白いでしょう。 東南アジアや南アジアに生息するチタラなどの大型ナイフフィッシュとは違い、アフリカン・ナイフフィッシュはとても大人しく、大型にもならないので、面白い混泳相手としておすすめです。 その他にもエレファントノーズフィッシュなどで有名やいわゆるモルミルス系の魚も魅力的ですが、餌を取るのが素早いアフリカンカラシンやアフリカンシクリッドメインの水槽では餌にありつけず、痩せ細って死んでしまうケースが多いので、混泳は困難かもしれません。
レイアウト
強めのポンプで流れのある川を表現しているため、石は角のない丸い石を一面に配置し、流れによって角のとれた石が散乱している様子を再現しています。 丸い石同士を重ねて積むと、石と石の間に適度な空間ができ、シクリッドやナマズなどの恰好の隠れ家となります。 生息地でもこのような石の間の空間に底のも系の小さい魚は隠れるので、ワイルドと同じ動きを見ることができるのです。
石には細かい苔が生えてきますから、いかにもワイルドな雰囲気が演出されます。 この苔が生えた石のうえに、砂を口に含んだシクリッドが砂を吐き出しながら泳ぐことにより、苔の上にうっすらと砂が被ります。 苔の上に砂がかぶった状態は、生息地さながらの様子をよりリアルに演出してくれます。
そして、細長くて大きい流木を大胆に横たわらせ、レイアウトの大きいアクセントにしています。 熱帯のジャングルを流れる川を演出しているわけですから、倒木の演出はとても効果的です。 アフリカには、アヌビアスやボルビティスのような、水中で流木や岩などに着生する植物が沢山流通しています。 それらを岩や流木に着生させることで、熱帯雨林を流れる川の状況を演出できるでしょう。